はじめに
2016年に発売されたFUJIFILM X-Pro2。
気づけば、もう10年近く前のカメラです。
スペックだけを見れば、最新機種とは世代が違います。
AF性能も処理速度も、そして搭載されているフィルムシミュレーションの数も。
一方で、私の手元にはFUJIFILM X100VI があります。
Nostalgic Neg.やREALA ACE。最新世代の色を、私はすでに知っています。
だからこそ思うのです。この色を、X-Pro2でも使えないだろうか、と。
羨ましいわけではありません。買い替えたいわけでもありません。
ただ、X-Pro2というカメラで最新の色の思想を表現してみたい。
古いFUJIFILMのカメラでも、最新フィルムシミュレーションは使えるのか。
今回はLightroomを使って、具体的な数値と手順まで踏み込みます。
これは延命計画。でもきっと、再発見の記録でもあります。
X-Pro2にないフィルムシミュレーション
X-Pro2(X-Trans III世代)には、以下のフィルムシミュレーションは搭載されていません。
- Nostalgic Neg.
- REALA ACE
- Classic Neg.
- ETERNA
- ETERNA Bleach Bypass
搭載されているのは、
- PROVIA
- Velvia
- ASTIA
- Classic Chrome
- ACROS
つまり、色の思想が一世代前なのです。

結論|再現は「可能」、完全一致は「不可能」
結論から言います。
- 雰囲気はかなり寄せられる
- 最新機種を持っていれば“実質コピー”も可能
- ただし完全一致はできない
理由はシンプルです。
- センサー世代が違う(X-Trans III)
- カメラ内部の色演算は非公開
- ダイナミックレンジの粘りが異なる
思想は借りられる。
でも体質は借りられない。
ここを理解したうえで取り組むと、満足度は高いです。
方法① 自力で再現する(全員可能)
使用ソフトはみんな大好き
Adobe Lightroom Classic。
触る項目は5つだけです。
- 基本補正
- トーンカーブ
- HSL
- カラーグレーディング
- 粒子
Nostalgic Neg.風 設定値
特徴:
- ハイライトが柔らかい
- 彩度控えめ
- 少し退色感
基本補正
露光量:±0
コントラスト:−10
ハイライト:−40
シャドウ:+25
白レベル:−15
黒レベル:−5
テクスチャ:−5
明瞭度:−10
かすみの除去:−5
自然な彩度:−10
トーンカーブ
軽いS字。
シャドウをほんの少し持ち上げ、ハイライトを抑えます。
HSL
色相
- レッド:+5
- オレンジ:+3
- ブルー:−5
彩度
- レッド:−10
- オレンジ:−8
- ブルー:−15
輝度
- オレンジ:+10
- ブルー:−5
ここいじるのほんと難しいですよね。泣
カラーグレーディング
シャドウ:H200 / S8
ハイライト:H40 / S6
バランス:+5
粒子
量:25
サイズ:20
粗さ:50
ポイントは「やりすぎない」こと。
一歩手前で止めるのがコツです。
REALA ACE風 設定値
REALA ACEは自然志向。派手さよりも透明感です。
基本補正
コントラスト:−5
ハイライト:−25
シャドウ:+15
自然な彩度:−5
HSL
全体彩度を−5〜−10程度。
ブルー色相:−10(ややティール寄り)
カラーグレーディング
シャドウ:H210 / S5
ハイライト:H35 / S4
粒子
量:10(控えめ)
やってみてわかりました。
REALA ACEは本当に繊細ですね。
触りすぎると別物になります。
方法② 最新機種から“コピー”する方法
ここが今回の核心です。
Lightroomのカメラマッチングプロファイルは、RAWの機種情報に基づいて表示されます。
つまり:
- X100ⅥのRAW → Nostalgic Neg.表示
- X-Pro2のRAW → 表示されない
でも、方法はあります。
手順
- X100ⅥでNostalgic Neg.を選択してRAW撮影
- Lightroomで読み込み
- プロファイルを「Nostalgic Neg.」に設定
- その状態をプリセット保存
- X-Pro2のRAWに適用
これで、
- トーン傾向
- 色のバランス
- グレーディング
は引き継がれます。
ただし、プロファイルそのものが移植されるわけではありません。
あくまで“結果をコピー”している状態です。
↓こんな感じで好きなプロファイルをプリセットにする。

プリセット右側の➕で新規プリセットを作成できます。
これをやっておけば、FUJIFILMのカメラでなくても似たようなシミュレーションを当てることができますね。

プロファイルを保存したら、X-Pro2でRAW撮影した写真を取り込み。
あてがってみます。


成功です。拍手👏
ちなみにJPEGでプリセットを当ててみたのですがほぼ変わらず。RAW撮影推奨です。
実際にやってみた感想
思っていた以上に寄りますね。これ上手く行った時は、思わず左手でガッツポーズしました。笑
- 日中スナップ
- ポートレート
- 逆光気味の街角
このあたりはかなり近いと感じます。
ただし夜景や高コントラスト環境では、最新センサーの粘りとの差は間違いなくでます。
なので夜暗くした部屋で撮った写真で試しましたが、それでも十分実用的です。
なぜこれをやるのか
延命のためでしょうか。
少し違います。
X-Pro2で撮る時間が好きだからです。
OVFを覗き、
静かにシャッターを切る。
その体験に、
最新の色を乗せてみたい。
それだけです。
撮りながら、この天気はこのシミュレーションが合いそうだな。と思いながら撮ることも多いのでこれができてとても嬉しいです。
でも写真取り込んだ時に、撮影時の思いは忘れていて普通に取り込んでしまうこともありそうですが…
X-Pro2はまだ戦える
最新機種は確かに進化しています。
でも、写真はスペックだけでは決まりません。
- 操作感
- 構えたときのバランス
- シャッター音
それらが揃って、体験になります。
X-Pro2は今も、その体験をくれます。一生物のカメラになることでしょう。
学生の頃は、お金がなくて一生物のカメラにしたいと思うカメラも下取りに出したりしていましたが、その頃よりはまだ少しだけお金がありますので金銭面のことは考えずしっかり大事に使っていき、もし仮に壊れても家に飾っておきたいカメラです。
まとめ
古いFUJIFILMのカメラでも、
- Lightroomでかなり再現できる
- 最新機種があればさらに近づける
- でも最終的には自分の色になる
これは延命ではなく、再発見。
もしX-Pro2を手放す理由が
「最新色がないから」なら。
一度試してみてほしい。
このカメラは、まだ終わっていません。使い倒します。
引き続き今後上がるであろうサクさんぽなどでの作例記事をお楽しみにしていただけると幸いです。
それではまた次の記事で。
よくある質問(Q&A)
Q1. X-Pro2にNostalgic Neg.やREALA ACEのプロファイルを直接追加することはできますか?
いいえ、できません。
FUJIFILM X-Pro2 本体に、
新しいフィルムシミュレーションを後から追加することは不可能です。
また、Lightroom内でも
“純正のカメラマッチングプロファイルそのもの”を
別機種RAWに強制適用することはできません。
この記事で紹介している方法は、
あくまで「色の結果を再現・コピーする」アプローチです。
Q2. Lightroomなら完全に同じ色になりますか?
完全一致はしません。
理由は、
- センサー世代の違い(X-Trans III)
- 内部色演算の違い
- ダイナミックレンジ特性の差
ただし、通常のスナップ用途であれば
かなり近い雰囲気まで寄せることは可能です。
Q3. Lightroomのどのバージョンが必要ですか?
基本的には Adobe Lightroom Classic を推奨します。
理由は、
- プロファイル管理がしやすい
- プリセット保存が柔軟
- コピー&ペーストの制御が細かい
Lightroom(クラウド版)でも可能ですが、
細かな制御はClassicのほうがやりやすいです。
Q4. 最新機種を持っていなくても再現できますか?
はい、できます。
この記事で紹介した
- HSL調整
- トーンカーブ
- カラーグレーディング
- 粒子
これだけで十分寄せられます。
最新機種を持っている場合は、「より近づけるための近道がある」という位置づけです。
Q5. Classic Neg.やETERNAも同じ方法で再現できますか?
基本的な考え方は同じです。
ただしClassic Neg.は
- シャドウが強い
- 色の分離が独特
再現難易度はやや高めだと思います。
ETERNA系は比較的寄せやすい傾向にあります。
Q6. プリセットとして販売・配布しても問題ありませんか?
自分で作成した数値プリセットであれば問題ありません。
ただし、
- FUJIFILM純正プロファイルデータの配布
- プロファイルファイルの抽出共有
こうした行為は推奨されません。
あくまで“自作設定値の共有”という形に留めましょう。
Q7. それでも最新機種を買う価値はありますか?
あります。
最新機種は、
- AF性能
- 高感度耐性
- ダイナミックレンジ
すべてが進化しています。
ただし、
色が理由で買い替える前に、
一度試してみる価値はあると思っています。
撮影機材
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