――動体撮影を横断して見えてきた一本の基準
F1、競馬、野鳥。
被写体も撮影場所もまったく異なるジャンルですが、実際に撮ってみると、これらには驚くほど多くの共通点があります。
どれも高速で動き、
一瞬の判断が写真の成否を分け、
そして「距離が思い通りにならない」という厄介さを抱えています。
今回は、F1・競馬・野鳥という三つの被写体を横断しながら、
動体撮影におけるレンズ選びの考え方について整理してみたいと思います。
共通点① 被写体がとにかく速い
まず最も分かりやすい共通点は、被写体の速さです。
F1マシンは言うまでもなく、
競走馬も直線では想像以上のスピードで迫ってきます。
野鳥もまた、飛び立つ瞬間や旋回時の動きは非常に速く、予測が難しい被写体です。
この三つに共通して求められるのは、
AF性能を最大限に活かせるレンズであること。
・迷いの少ないAF
・ピント移動が素直
・急な被写体の変化についていける
どんなに写りが良くても、AFが不安定なレンズでは致命的になります。
共通点② 被写体との距離が読めない
F1では、
コース幅や撮影位置によってマシンとの距離が大きく変わります。
競馬では、
スタンド位置、コース形状、レース展開によって距離が一定しません。
野鳥に至っては、
そもそも「どこに現れるか分からない」世界です。
つまり三ジャンルすべてにおいて、
距離を自分でコントロールできないという前提があります。
この条件下で重要になるのが、焦点距離の柔軟性です。
単焦点超望遠は「決まれば最強」
800mmや600mmといった超望遠単焦点レンズは、
F1・競馬・野鳥すべてにおいて、決まったときの破壊力は圧倒的です。
・F1ではマシンの密度
・競馬では馬体の迫力
・野鳥では羽毛の質感
これらを最高レベルで引き出してくれます。
ただし、共通する弱点も明確です。
・画角が固定される
・一瞬の距離変化に弱い
・構図の自由度が低い
「狙った一瞬を切り取る」用途には最高ですが、
全体を表現するにはかなり尖った選択になります。
ズームレンズが持つ“成功率の高さ”
F1・競馬・野鳥を横断して考えたとき、
最も安定感があるのは、やはり望遠ズームです。
特に評価が高いのが、
100-400mmクラスや180-600mmクラス。
代表的な選択肢
- Nikon Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S
- Canon RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
- SONY FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
- Nikon Z 180-600mm f/5.6-6.3 VR
これらは、
・引きと寄りを瞬時に切り替えられる
・被写体を見失いにくい
・撮影成功率が高い
という共通した強みを持っています。
Z180-600mmに関しては羅臼旅の際にレンタルしてお世話になったレンズです。
非Sラインにも関わらず、キレのある描写に大満足したレンズでした。
100-400mmという“横断的な最適解”
F1・競馬・野鳥をすべて撮りたいと考えた場合、
最も現実的な一本は100-400mmクラスだと感じています。
- F1:中距離〜遠距離を柔軟に対応
- 競馬:中山・東京どちらでも使いやすい
- 野鳥:フィールド次第で十分対応可能
もちろん、野鳥専用としてはもう少し望遠が欲しくなる場面もありますが、
「すべてを一本でこなす」という視点では非常にバランスが良いです。
それを考えるとCanonの100-500っていいですね。サイズ感は多少大きくなってくるのでしょうけど。
以前SIGMAの100-400mm FマウントレンズをマウンドアダプターをつけてNikonZシリーズにつけて撮影していたのですが、AFにややストレスを感じることがあり、売ってしまいましたが、距離感は抜群でしたね。
カメラボディに求められる共通条件
レンズと同じくらい重要なのが、ボディ側の性能です。
F1・競馬・野鳥に共通して必要なのは、
・被写体認識AF
・高い連写性能
・バッファの余裕
・操作レスポンス
現実的な選択肢としては、
- Nikon Z9 / Z8
- Canon EOS R5 / R6 Mark II /R3
- SONY α1 / α9 III
このクラスであれば、
ジャンルを問わず安定した撮影が可能でしょう。
専用機材より「考え方」が重要
F1にはF1専用、
野鳥には野鳥専用、
そう考えがちですが、実際には「考え方」のほうが重要だと感じています。
・どの距離を一番多く撮りたいのか
・一瞬の迫力か、流れか
・成功率を取るか、尖りを取るか
これを整理すると、
自然と選ぶレンズが見えてきますね。
結論:一本で全部は撮れない。でも軸は作れる
正直に言えば、
F1・競馬・野鳥を完璧に一本でカバーできるレンズは存在しません。
ただし、
**すべてに共通して使える“軸となる一本”**は確実に存在します。
その軸を中心に、
足りない部分を別のレンズで補っていく。自分の足で移動して補う。etc…
それが、長く撮影を楽しむための現実的な方法だと思います。
軸となるレンズが見つかることを祈ってます。相談もどうぞ。
私は、一先ず、100-400mmが欲しいです。3月のF1までに購入するのか、レンタルするのか。とても悩んでおります。
撮影ジャンルを越えてレンズを考える楽しさ
ジャンルをまたいでレンズを考えると、機材選びそのものがより楽しくなります。
F1で得た感覚が競馬に活き、競馬での経験が野鳥撮影に還元される。
そうやって撮影が循環していくのは、とても面白い体験でしょう。
次はどのフィールドで、どのレンズを使うのか。
そんなことを考えながら、またシャッターを切りたくなります。
ブレブレのダメな写真を量産したっていいじゃないですか。起きたこと、行動に起こしたことが全てがあなたの経験値となって成長の糧になることでしょう。
素敵なカメラライフを送れることを願って。
それではまた次の記事でお会いしましょう。さよなら〜





















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