135mm一本で行った。浅草寺のプロジェクションマッピングを手持ちで撮ってきた話

浅草寺のプロジェクションマッピングを135mmで撮ったアイキャッチ

みなさんこんにちは。sakucame Blog sakuです。

2026年10月30日から11月3日まで、浅草寺で「ASAKUSA CULTURE & LIGHTS 2026(浅草カルチャー&ライツ 2026)」が開かれています。

本堂と宝蔵門に映像を投影するプロジェクションマッピングです。宝蔵門への投影は昨年に続いて2回目ですが、本堂への投影は浅草寺の歴史で初めてだそうです。観覧は無料、申し込みも要りません。

初日の10月30日、夜の浅草に行ってきました。

持っていったのはニコン Z7とNIKKOR Z 135mm f/1.8 S Plena。これ1本だけです。

saku
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夜のイベントに望遠単焦点1本、しかも手持ち。字面だけ見ると結構な博打です。135mmって、手ブレ補正のことを抜きに考えたら1/135秒より速く切らないと止まらない計算になる焦点距離なので。

結果から言うと、1時間弱で180枚近く撮って、そのうち4割程度がが1/60秒より遅いシャッター。1/30秒以下に至っては29枚。いちばん遅いカットは1/8秒です。

セオリーどおりなら半分くらい流れているはずですが、Nikonの手ぶれ補正機能に助けられ、なんとか撮影することができました。1/8とかはブレてましたけどね。笑

雷門は、前に立たなくていい

雷門の大提灯を135mmで切り取ったカット

着いて最初の1枚がこれです。

雷門の大提灯。1/500秒、f/1.8。

雷門の前は、いつ行っても人がいます。この日は特にすごくて、記念写真の列が門の下にずっと溜まっていました。

135mmだと、その列に並ばなくていいんです。

正門側から、提灯だけを抜きました。というか近すぎてこんな画角しか無理。道路ど真ん中くらいから撮らないと全体を写せなそうです。

このレンズは、f/1.8まで開放できるため、手前の人も、横の店も、f/1.8が全部溶かしてくれます。黒地に赤、骨の影、紙の繊維。

望遠は、近づかなくていいレンズです。夜の観光地では、それがそのまま「余計なものが入らない」になります。あとは手ぶれ補正との戦いとなります。

仲見世は、望遠で詰める

仲見世の提灯と秋の造花が奥まで続く

雷門をくぐって仲見世へ。

秋の造花が天井から垂れていて、両側に白い提灯が並んでいます。奥まで同じ飾りがずっと続いている通りです。

1/1250秒。提灯が内側から光っているので、夜なのにシャッターは上がります。ISOも800ほどにしており、Aモードで撮影しているので勝手にシャッタースピードを稼げてしまいます。

ここは望遠の圧縮効果がいちばん素直に出る場所でした。

奥行きのある通りを望遠で撮ると、手前と奥の距離が潰れて、飾りがぎゅっと密に見えます。実際に歩くとそれなりに間隔があるのに、写真だと隙間なく埋まる。仲見世の「賑やかさ」を絵にするなら、広角で引くより望遠で詰めたほうが伝わります。

人は歩いているので、f/1.8だと手前も奥もボケて、形だけになります。顔が残らないのは、こういう場所ではありがたいところです。

提灯は、文字だけ切り取る

浅草寺の奉納提灯に並ぶ文字

宝蔵門の手前、天井から吊られた奉納提灯の列です。

真下から見上げると、提灯が斜めに三段並んでいました。

1/4000秒。この日のなかでもかなり速い部類です。提灯は自分で光っているので、暗い場所にあっても露出は全然足ります。
だからと言ってISOを下げるのもめんどくて…800程度なら画質も申し分ないですしね〜

「浅草ほおずきの会」「浅草○○の会」。奉納した人たちの名前がずらっと書いてあるんですが、望遠で切ると、意味より先に黒い字の形が目に入ってきます。

提灯を「光るもの」としてではなく「字が並んでいるもの」として撮ると、同じ被写体がまったく違う絵になりますね。望遠レンズだから気が付く着眼点。

広角で天井ごと入れると、これは「提灯がいっぱいある写真」で終わります。135mmで三段だけに絞ると、字そのものが主役になりました。

宝蔵門に、映像が乗った

宝蔵門のプロジェクションマッピングとスマホを掲げる人々

数分の休憩を挟みながら、宝蔵門が投影が投影されます。

この日のベストはこれです。

門の全体に映像が流れて、青いレーザーが斜めに差して、手前にはスマホを掲げた手が何十本も並んでいます。

1/40秒、f/1.8、手持ちです。

この時間、門の正面はもう動けないくらいの人でした。前のほうには行けません。後ろから、人の頭の上に向けて構えるしかない状況です。

でも135mmなら、人の壁の外からでも門に届きます。

そしてf/1.8の浅いピントが、手前のスマホの群れを光の粒に変えてくれました。狙ってそうしたというより、絞りを開けるしかなかった結果こうなったんですが、結果的にこの前ボケがいちばん「その場の空気」を持っています。みんなが同じものを撮っている夜だった、という記録です。

saku
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本堂と宝蔵門に6分ずつ交互に投影される仕組みなんですが、私が撮れたのはほとんど宝蔵門のほうでした。本堂の正面は人が厚すぎて、135mmでも抜けない。史上初のほうを撮り損ねたことになります。来年リベンジします。

緑のレーザーが、門を横切る

緑のレーザーが宝蔵門を横切る

門全体が緑に沈んで、レーザーが2本、斜めに交差しました。

1/60秒。

映像の色が変わるたびに、門の見え方が丸ごと変わります。緑のときは、朱色の柱も屋根の瓦も全部緑になって、建物というより光を受ける面になりました。

レーザーは速く動くので、止めたいならシャッターを上げたくなります。でも1/60秒くらいで撮ると、光の線が少しだけ伸びて、空気中の埃や煙に当たっている様子まで写ります。

止めすぎないほうが、レーザーはレーザーらしく写りました。

6分で、門の色が全部変わる

青い映像に染まった宝蔵門

同じ門の、数十秒後です。

今度は青です。

1/80秒。扁額の「浅草寺」の字と、大提灯と、左右の小さい提灯が、全部シアンの光に塗り替えられています。

同じ場所に立っているだけで、被写体が別物になります。

これは正直、撮っていて楽でした。構図を一度決めてしまえば、あとは色が変わるのを待って切るだけです。6分の映像のあいだに、赤、緑、青、金と一周します。

動かなくていい夜は、望遠と相性がいいです。

望遠は画角が狭いぶん、構図を決め直すのに時間がかかります。逆に言うと、一度決まったあとは強い。この日みたいに「被写体が勝手に変わってくれる」状況だと、決め打ちで待てる望遠のほうが打率が上がります。

大提灯一個で、画面が埋まる

宝蔵門の大提灯に映像が投影されている

宝蔵門の大提灯に、映像が直接乗ったところです。

提灯そのものが投影面になって、紙の上に青と白の模様が流れていきます。

1/30秒、手持ち。

ここが135mmで来てよかったといちばん思った瞬間でした。

この提灯、宝蔵門の真ん中に吊られています。近づけません。柵もあるし人もいます。でも135mmなら、離れた場所から提灯だけで画面を埋められる。周りの柱も屋根も、要らないので切り落としました。

1/30秒が止まったのは、Z7のボディ内手ブレ補正(5軸・5.0段)のおかげです。

135mmで1/30秒なので、計算上は2段分くらい無理をしています。

がしかし、しっかり止まりました。

同じ夜に、シャッターが1000倍動いた

緑のレーザーがスモークを貫く

境内の脇で、緑のレーザーがスモークに突き刺さっているところです。

煙の渦の中を、光の柱が1本通っています。何の建物も写っていません。ほぼ抽象画です。

このカットのシャッターが、1/8000秒でした。

思い出してほしいんですが、同じ夜の同じ設定(f/1.8・ISO800固定)で、いちばん遅いカットは1/8秒です。

1/8秒と1/8000秒。同じ日にちの中の撮影時間1時間弱のあいだに、シャッターが1000倍動いています。

これは夜のライトアップならではだと思います。

自然光の昼間なら、だいたい明るさは揃っています。でも人工の光が主役の夜は、提灯みたいな「弱くて広い光」と、レーザーみたいな「強くて細い光」が同じ境内に同居する。カメラから見ると、ほとんど別の天気です。

saku
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絞りとISOを固定にしていたのは、単に面倒だったからです。f/1.8から動かす理由がないし、ISOも800から上げたくなかった。結果的に「シャッターだけでどこまで振れるか」の記録になりました。

1/25秒が、止まった

夜の浅草寺 五重塔

五重塔です。

20時20分。マッピングの投影範囲から外れた場所にあるので、こちらはいつもの夜のライトアップのままでした。

1/25秒、f/1.8、手持ち。

この1枚が、今日の賭けの答え合わせです。

135mmで1/25秒。三脚があれば何も考えずに済む数字ですが、手持ちだと本来は捨てるカットです。

等倍で確認しました。相輪の先端、炎みたいな形の水煙の透かし彫りが、一本一本分離しています。軒下の組物も、朱の縁取りも出ていました。

三脚を置いていった判断は、これで正解ということにしました。

正直に言うと、歩留まりは100%ではありません。1/30秒以下の29枚のうち、使えないカットもあります。ただ「三脚を立てられない場所で、立ち止まらずに撮り続けられる」ほうが、この日の浅草では圧倒的に価値がありました。

人の流れが止まらない境内で三脚を広げるのは、そもそも無理です。

伝法院通りに戻る

夜の伝法院通り

投影の時間帯はまだ続いていましたが、ここで帰ることにしました。

伝法院通りの入口です。奥にROXのビルが見えています。

1/500秒。街灯と看板だけなので、さっきまでのレーザーとは別の静けさがあります。

マッピングを見た人たちが散っていく方向と、普通に飲みに行く人の流れが、この通りで混ざっていました。観光の浅草から、生活の浅草に戻る境目みたいな場所です。

ここも望遠です。提灯の並びと、その奥の人影と、さらに奥のビル。全部圧縮して、一枚に重ねました。

まとめ

浅草寺のプロジェクションマッピングを、Z7とPlena 135mm一本、三脚なしで撮ってきた話でした。

夜のライトアップに望遠単焦点、は思ったよりずっと合理的でした。

広角で引いても、入ってくるのは結局ほとんど人の後頭部です。それなら最初から、届く範囲で一点だけを抜いたほうがいい。

三脚を置いていったのも、重さの問題ではなくて、立ち止まらずに済むからでした。45分で境内を一周できたのは、荷物が軽かったからというより、毎回セッティングし直さなくてよかったからです。

人も多くて三脚なんて立てられなかったでしょうし、テンポよく変わるプロジェクションマッピングに三脚を据えて長時間露光しても意味ないですしね。

単焦点一本で撮影行くことも多々あります。レンズを1本に絞ると、迷う時間が消えます。

夜で、人が多くて、時間が限られている日ほど、その効きが大きくなります。

ぜひ、単焦点を持って撮影に行ってみてはいかがでしょうか。そんでもって135mmもとてもとてもいいレンズなので気になる方は是非電気屋さんなどで手に取って試し撮りしてみてはいかがでしょうか。

それでは今回はこの辺でさよなら〜

紹介機材一覧

なおこの記事の内容は2026年10月31日時点のものです。イベントの開催期間・投影時間・特別拝観の料金についてはASAKUSA CULTURE & LIGHTS 2026 公式サイトによります。期間中の混雑状況によって運用が変わることがあるので、行かれる方は公式の案内を確認してください。

ここまで読んでくれてありがとうございました。

それではまた次の記事で会いましょう。さよなら〜

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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